長期投資では「握力が大切」とよく言われます。
以前にも、長期投資における「握力」についても少し触れたことがあります。
過去記事「TQQQを設定来持っていたら?3倍NASDAQ100の「夢」と「崖」を考えてみた」
暴落しても売らない。
含み損になっても耐える。
周りが別の投資先で儲けていても、自分の投資を続ける。
確かに、それは大切だと思います。
でも最近、自分の投資について考えていて、少し違う見方をするようになりました。
長期投資で本当に大切なのは、ブレないことではないのではないか。
人間なので、普通にブレます。
「あっちのほうが良かったかも」と思うこともあります。
それでも、すぐに全部を変えない。
私にとっての長期投資の「握力」は、そんなものなのかもしれません。
私が投資で「確率」を気にする理由
私は投資先を選ぶとき、「確率」をかなり気にします。
もちろん、投資に絶対はありません。
「この投資なら必ず儲かる」なんてものはないと思っています。
それでも、
こちらのほうが長期的に上昇する可能性が高そうだ
と思えるものには投資しやすい。
逆に、どれだけ魅力的なストーリーを聞いても、自分の中でその確率に納得できないものには、あまり大きく投資できません。
これは、これまでの投資経験とも関係しています。
私は日本で生きてきたので、投資を始めた頃は当然のように日本株を見ていました。
ところが、日本経済や株価が長く低迷している中で個別株に挑戦し、見事に失敗しました。
そこで目を向けたのが米国株でした。
もちろん米国株だって下落します。
それでも、長期で見れば米国株には上昇してきた歴史があります。
その「長期的に上昇してきた」という事実そのものが、私には大きかった。
上昇傾向にあるということは、それだけ自分にとっては「うまくいく確率が高そう」と感じられるからです。
だから、私は個別の企業を当てにいくよりも、米国株のような大きな流れに乗る投資のほうが信じやすいのだと思います。
でも、確率が高いと思っていても普通に迷う
では、私は投資先に迷わないのか。
そんなことはありません。
むしろ最近は結構迷っています。
NASDAQ100と大型テック集中。
株式とゴールド。
レバレッジなしとレバレッジ2倍。
それぞれに魅力があります。
そして、それぞれに「こっちのほうが良かったのでは?」と思う瞬間があります。
例えばFANG+。
NISAの積立投資枠で買えることもあり、私は少し保有しています。
でも、最近まで少し低迷していた時期には、
「これは安くなった。チャンスだ!」
と自信満々に買い増せたかというと、全然そんなことはありませんでした(笑)。
売るつもりはありませんでした。
でも、買い増すとなると話が違う。
持ち続ける握力と、下がったところで買い増す握力は別物です。
そこで、自分が本当にそれを信じているのかが分かります。
「勝っているか」だけでは、投資の正解は分からない
ここが長期投資の難しいところだと思います。
例えば、S&P500とオルカンで迷ったとします。
どちらが正解なのか、投資を始めた時点では分かりません。
5年間でS&P500がオルカンを上回るかもしれない。
逆に、オルカンが上回るかもしれない。
そして5年間負けていたほうが、その後の5年間で逆転するかもしれません。
もちろん、5年間負けて、その後も10年間負け続ける可能性だってあります。
つまり、途中経過だけでは、それが正しい選択だったのかは分からない。
それなのに、
「今はあっちのほうが成績がいい」
という理由だけで投資先をコロコロ変えていたら、永遠に隣の芝生を追いかけることになります。
だから私は、
自分が選んだ投資先が途中で負けることは、最初からある程度受け入れておく必要がある
と思っています。
むしろ、選んだものがずっと勝ち続けると思っているほうが危ないのかもしれません。
「信じられる投資先」を選ぶ
では、どうすれば長期で持ち続けられるのか。
私の場合は、最初から「信じられるもの」を選ぶことです。
ここでいう「信じる」は、
「絶対に上がる!」
という意味ではありません。
そうではなく、
「長期的に考えれば、これがうまくいく確率は比較的高いと思える」
という程度です。
だから、最近の半導体ブームについても、ものすごく魅力的な話を聞くことがあります。
AIがこれだけ普及している。
半導体需要が増えている。
データセンターへの投資が拡大している。
なるほど。
確かにそうかもしれない。
でも、同時に、
「本当にそうなのか?」
とも思います。
その説明が正しいのか、間違っているのか。
今の株価にどこまで織り込まれているのか。
これからどれだけ成長する必要があるのか。
正直、私には判断できません。
だから、ゼロではありませんが、そこに大きく賭けようとは思わない。
これは「半導体はダメだ」と思っているわけではありません。
自分が十分に信じられないものには、大きな資金を入れない。
ただそれだけです。
ゴールドも「信じている」とは言っても、悔しい
一方で、ゴールドについては比較的ブレません。
理由の一つは、やはり長期的な上昇傾向です。
そして、私の場合は単純な値上がりだけではなく、ポートフォリオの中での役割があります。
株式が大きく下落したときに買い増す。
そのための資金として、ゴールドをある程度持っておきたい。
そう考えているので、株式が上がってゴールドが相対的に弱いときでも、完全に考えが揺らぐわけではありません。
……とはいえ。
ゴールドやゴールドプラスの価格を見て、
「株にしておけばよかったかな~」
と思うことは普通にあります。
ぐぬぬ。
これはあります(笑)。
でも、
「株のほうが上がった」
という事実と、
「だからゴールドを持つ理由がなくなった」
という話は別です。
ここを分けて考えることが、長期投資では意外と重要なのだと思います。
ブレたら、少しだけ試してみる
では、迷ったらどうするか。
私は最近、
「少し手を出してみる」
くらいでいいのではないかと思っています。
例えば新しい投資先が気になったとします。
そこで、今まで持っていたものを売って乗り換えるのではなく、これから投資に回す資金の一部を、その新しい投資先にしてみる。
「こっちのほうがいいかもしれない」
と思ったからといって、昨日までの自分の判断を全部否定する必要はありません。
少し買ってみる。
実際に値動きを見てみる。
情報を集めてみる。
そして、自分の考えが変わるかどうかを見てみる。
それでいい。
私は会社員なので、毎月ある程度の投資資金を入れていくことができます。
だからこそ、
過去の投資を売って新しい投資に乗り換えるのではなく、未来の入金先を少し変えてみる
という方法が取れます。
これは、会社員として積立投資を続ける私だからこそできる考え方なのかもしれません。
ポートフォリオが多少ぐちゃぐちゃでもいい
そんなことをしていると、当然ポートフォリオは綺麗にはなりません。
NASDAQ100もある。
ゴールドもある。
レバレッジ商品もある。
その他にも気になったものを少し持っている。
理想的なポートフォリオとは言えないかもしれません。
でも、私は最近、それでもいいのではないかと思っています。
人間なので、いろいろなものに興味を持つ。
相場を見て考えが揺れる。
他の商品が魅力的に見える。
それは仕方がありません。
重要なのは、揺らいだことを理由に、これまでの投資を全部ひっくり返さないこと。
迷ったことは認める。
でも、今までの投資理由が崩れていないなら、そのまま残す。
新しい考えが出てきたら、少しだけ試してみる。
そして時間をかけて考える。
そんなくらいでいいのではないでしょうか。
では、何が起きたら投資をやめるのか
もちろん、何があっても持ち続ければいいという話ではありません。
私の中では、次のように考えています。
- 含み損になったから失敗、ではない
- 他の商品に負けたから失敗、でもない
- 一時的に相場の予想と逆になったから失敗、でもない
- 自分がその投資を選んだ理由が崩れたら、見直す
- 商品そのものの前提が変わったら、見直す
つまり、
「負けた」と思ったら見直す。
もっと言えば、
自分が負けを認めたら負けです(笑)。
もちろん、これは意地になって損切りしないという意味ではありません。
「含み損だから負け」と短絡的に考えない、ということです。
投資判断が間違っていたのか。
それとも、単にまだ結果が出ていないだけなのか。
そこは分けて考えたいと思っています。
長期投資では「ブレない人」にならなくてもいい
投資を始めたばかりの頃は、
「自分の投資方針をしっかり決めて、一度決めたら絶対に変えない」
くらいのほうがいいと思っていました。
でも、実際に投資を続けていると、そんなに簡単ではありません。
新しい商品も出てきます。
相場環境も変わります。
自分の知識も増えます。
他の商品が魅力的に見えることもあります。
だから、多少ブレるのは仕方がない。
むしろ、
ブレることを前提にして、それでも投資を続けられる仕組みを作る。
そのほうが現実的なのではないかと思っています。
私にとって、そのために必要なのが「確率」です。
絶対に勝てるものを探すのではなく、
「これなら長期的にうまくいく確率が比較的高そうだ」
と思えるものを選ぶ。
そして、途中で負けても、その理由が変わっていないなら続ける。
新しいものが気になったら、少しだけ試してみる。
それでも元々の投資をすぐには否定しない。
そうやって、多少ぐちゃぐちゃになりながらも、長く投資を続けていく。
まとめ
長期投資では、最初から正解を選ぶことはできません。
5年後に勝っているかもしれないし、10年後には負けているかもしれない。
だからこそ、
「勝っている投資先を選ぶ」よりも、「負けているときでも、その投資理由を説明できるものを選ぶ」
ことが大切なのではないかと思っています。
そして、信じられなくなったときには、何が変わったのかを考える。
単に他の商品が上がっただけなのか。
自分の投資理由が崩れたのか。
そこを分ける。
完璧なポートフォリオを作る必要もない。
迷ってもいい。
ブレてもいい。
ただ、ブレた勢いですべてを変えない。
それくらいの握力でも、会社員として積立投資を続けるのであれば、十分に長期投資を続けていけるのではないかと思っています。
そして、最後に自分自身にも問いかけたいと思います。
あなたなら、今持っている投資先が5年間ずっと他の選択肢に負け続けても、それでも持ち続けられますか?
