最近、TOPIXの2倍の値動きを目指す「TOPIX 2倍ブル」が少し気になりました。
きっかけは、風丸さんがTOPIX 2倍ブルについて紹介している動画を見たことです。
風丸レバレッジ投資チャンネル「レバナス越えッ!驚異のパフォーマンス!TOPIXレバレッジ2倍!」
TOPIXをレバレッジ2倍にする。
iFreeETF TOPIXレバレッジ(2倍)指数(1367)
なんでわざわざTOPIXにレバレッジ?と思いましたが動画の内容には納得です。
その上で調べたり考えたりしているうちに、私の中では少し違うところに話が移っていきました。
「TOPIX 2倍ブルは良い商品なのか?」
というより、
「そもそも私はTOPIXを20年、30年と握れるのだろうか?」
という疑問です。
そして、さらに考えていくと、これはTOPIXに限った話ではなく、
「私は何を長期投資できると考えているのか?」
という、自分自身の投資哲学の話になってきました。
TOPIX 2倍ブルには面白さがある
まず、TOPIX 2倍ブルそのものを否定したいわけではありません。
TOPIXのレバレッジ型商品には、実際にTOPIXレバレッジ(2倍)指数に連動するETFがあります。
TOPIXレバレッジ(2倍)指数は、TOPIXの日々の騰落率の2倍を目指す指数です。
つまり、TOPIXが1日で1%上昇すれば、おおむね2%上昇し、逆に1%下落すればおおむね2%下落するという仕組みです。
ここで大事なのは、「TOPIXが20年後に2倍になれば、TOPIX 2倍ブルは4倍になる」という単純な商品ではないことです。
日々の値動きを2倍にする商品なので、長期間では値動きの経路によって結果が変わります。
それでも私は、単純に「レバレッジ商品だから長期投資には向かない」とは考えていません。
むしろ重要なのは、
「何を2倍にするのか」
だと思っています。
TOPIXそのものを長期で信じられるなら、その値動きを大きくするという考え方には合理性があります。
では、私はTOPIXを20年握れるのか?
ここで、自分にかなり極端な質問をしてみました。
例えば、こんな状況です。
南海トラフ地震が発生。
日本経済は大混乱。
TOPIXはわずか1週間で30%下落した。
もちろん、これはあくまで極端な想定です。
実際にそんなことが起きたら、株価以外にも考えなければならないことが山ほどあるでしょう。
でも、投資対象を「握れるか」を考えるには、こういう極端なケースを想像してみるのも悪くありません。
このとき私は、
「日本株が安すぎる。こんなチャンスはない。買い増そう」
と思えるでしょうか。
それとも、
「やっぱり米国株にしておけば良かった……」
という考えが頭をよぎるでしょうか。
私の場合、後者が頭をよぎる可能性があります。
だとすると、TOPIXは私にとって「20年、30年とタイミングを考えずに握る投資先」としては、まだ確信が足りないのだと思います。
私にとって「握れる」とは、暴落に耐えられることではない
投資でよく「握力」という言葉が使われます。
暴落しても売らない。
含み損になっても耐える。
もちろん、それも握力でしょう。
でも、私が考える「握れる」は、もう少し厳しいものです。
30%下落したときに、それを買い増しチャンスだと思えるか。
ここです。
例えばS&P500やNASDAQ100が大きく下落したとき、私は「米国株はもう終わりだ」と考えるより、
「安く買える機会が来た」
と考えやすい。
もちろん、実際に暴落したら不安になるでしょう。
それでも、投資対象そのものを疑うというより、
「長期では戻る可能性が高いのだから、むしろ買いたい」
という方向に考えられると思っています。
これが私にとっての「握れる」です。
単に売らないのではありません。
下落したときに、買い増したくなるか。
ここまで含めて「握れる」と考えています。
TOPIX 2倍よりも、そもそもTOPIXにそこまで魅力を感じていない
ここまで考えてみると、今回の話は「TOPIX 2倍ブルを買うかどうか」という問題ではないような気がしてきました。
そもそも私は、TOPIXにそこまで強い魅力を感じていないのではないか。
もちろん、TOPIXが悪いと言いたいわけではありません。
「取組みの進展が見られる企業」等に関する機関投資家アンケートの結果について
日本企業では、東京証券取引所による「資本コストや株価を意識した経営」の要請などを背景に、企業価値や資本効率、経営資源の配分を意識する流れが続いています。
2026年4月には、東証がこの取り組みをアップデートし、「経営資源の適切な配分」を中心とした投資家の期待や取り組みのポイントをまとめています。
日本株には、これから企業改革がさらに進む可能性があります。
だからTOPIXに投資する理由がない、という話ではありません。
ただ、私が5%程度のサテライト投資に求めているものとは少し違います。
私がサテライトに期待するのは、
「当たったらかなり大きい」
という可能性です。
TOPIXは良くも悪くも、私には比較的安定した市場全体への投資に見えます。
それを2倍にすれば、当然リターンの振れ幅は大きくなります。
でも、
「これが今後ものすごい爆益を生むかもしれない」
という期待感では、NASDAQ100やそのレバレッジ商品、あるいはFANG+などのほうが私にはしっくりきます。
つまり、
TOPIX 2倍が悪いのではなく、そもそもTOPIXを2倍にしてまで持ちたいと思うほど、TOPIXに強い期待を持っていない。
これが今の自分の答えなのだと思います。
「過去が良かったから、未来も上がる」とは思っていない
では、なぜ私はS&P500やNASDAQ100なら長期投資しやすいのでしょうか。
もちろん、未来が分かるからではありません。
ここはかなり重要です。
投資において、未来を確実に予測することはできません。
20年後に、
- TOPIXが大きく成長している
- S&P500が今よりさらに大きくなっている
- NASDAQ100がさらに成長している
- FANG+が今とは全く違う結果になっている
どれも可能性としてはあります。
もしかすると、今の私が想像していない投資対象が20年後の主役になっているかもしれません。
だから「過去が良かったから、これからも絶対に上がる」と考えているわけではありません。
私が考えているのは、もっと単純です。
過去の実績や仕組みから見て、今後も上昇する可能性が比較的高いと思えるか。
そして、
その確率に、自分のお金を賭けてもいいと思えるか。
これです。
投資対象を選ぶとき、私は「確率」を見ている
結局、私の投資は「未来を当てるゲーム」ではなく、
「上昇する可能性が高いと思える対象を選ぶゲーム」
に近いのかもしれません。
もちろん、確率を正確に計算できるわけではありません。
「S&P500が20年後に上がっている確率は○%」
などと分かるわけでもありません。
それでも、
- 長期間の実績
- 指数の仕組み
- 銘柄の入れ替え
- 企業利益の成長
- 市場そのものの構造
などを見れば、投資対象ごとに「自分がどれくらい信頼できるか」には差が出ます。
私はその差をかなり重視しています。
だからこそ、タイミングを読まない投資をしたい。
「今は日本株が割安だから買う」
「今年は米国株が強そうだから買う」
といった判断を毎回するのではなく、
「これなら、今後何が起きても長期で持っていられる」
と思えるものを選びたいのです。
結局、20年後に何が正解だったかは分からない
ここには「時の運」もあります。
例えば、20年後にTOPIXがS&P500を大きく上回っていたとします。
そのとき、
「TOPIXに投資していた人が正解だった」
と言うことはできるでしょう。
でも、投資している時点でそれが分かっていたわけではありません。
単純に、その20年間がTOPIXにとって非常に良い時代だった可能性もあります。
NASDAQ100がものすごく上がるかもしれない。
TOPIXがものすごく上がるかもしれない。
FANG+がこのまま成長し続けるかもしれない。
逆に、どれも思ったほど伸びないかもしれない。
結局、時が経ってみなければ分かりません。
だから私は、「これが絶対に正解」という投資先を探しているわけではありません。
自分が納得できる根拠があり、下落したときにも投資理由を失わずに済む対象を選びたい。
それだけです。
TOPIXが悪いのではなく、私の求める実績がまだ足りない
今回、TOPIX 2倍ブルについて考えてみて、一番しっくりきたのはこの結論でした。
TOPIXが悪いわけではない。
日本企業の改革が進み、企業価値や資本効率が改善し、日本株市場そのものが大きく成長する可能性もあります。
ただ、私が求めているのは、
「タイミングを読まずに20年、30年握れるだけの確信」
です。
現時点の私は、TOPIXにそこまでの確信を持てていません。
だから、今のところTOPIX 2倍ブルを自分の投資先に加える必要性は感じませんでした。
一方で、日本株の上昇局面を見極めることに抵抗がなく、ある程度タイミングを考えて売買できる人なら、TOPIX 2倍という選択肢は面白いと思います。
これは「TOPIX 2倍が良い・悪い」という話ではなく、
どんな投資スタイルをするのか
という違いです。
投資は「当てる」より「握れる」ものを選びたい
投資の未来は分かりません。
当たりもあれば、外れもある。
そして、どれだけ合理的に考えても、最後には「時の運」もあります。
それでも、自分で選ぶことはできます。
私は、
「30%下落したときに、それでも買いたいと思えるか?」
を一つの基準にしたいと思っています。
それなら、暴落が来ても投資理由を疑いにくいからです。
そして、そう考えると、今の自分が長期投資したいと思える対象と、そうではない対象が自然と分かれてきます。
TOPIX 2倍ブルは面白い商品です。
でも今回考えてみて分かったのは、
「TOPIXを2倍にしたい」のではなく、「自分が20年握れるものを2倍にしたい」のだ
ということでした。
その意味では、私にとって大事なのはレバレッジそのものではありません。
何を握るのか。
そして、
その投資対象が30%下落したとき、私はそれを「怖い」と思うのか、「チャンス」と思うのか。
これからも投資先を選ぶときには、この感覚を大事にしていきたいと思います。
