最近、米国株が少し下がっています。
まあ、これくらいなら私はそれほど気にしません。
問題は、金まで一緒に下がっていることです。
「株が下がったときのために金を持っているのに、金も下がるのか……」
そんなことを思っていたところ、8月末のジャクソンホール会議で、FRBのウォーシュ議長がインフレへの警戒感を示しました。
その後、米国の利上げ観測が強まり、米国債利回りが上昇。株式だけでなく、金も下落しました。Reutersによると、8月28日の市場では、9月の利上げ確率が前日の35.4%から55.7%まで上昇し、金も大きく下落しています。
ここで、以前このブログでも取り上げた**「iFreeETF ゴールドプラスインカム」**を思い出しました。
以前、ゴールドプラスインカムについて「ゴールドなのにインカムがある」という視点から紹介しました。
→ [ゴールドに配当金?新ETF「ゴールドプラスインカム」を見つけたので、自分に必要か考えてみた]
ゴールドにインカムを加えることで、金だけを持つよりも面白い商品なのですが、
「じゃあ、金利が上がって株も金も下がるとき、この商品はどうなるんだ?」
と考えてみたわけです。
そして、改めて考えてみると、私には少し違う商品に見えてきました。
そもそもゴールドプラスインカムとは?
ゴールドプラスインカムは、2026年9月に上場したETFです。
ざっくり言えば、
「ゴールドの値動きを取り込みながら、米国国債からのインカム収益も狙う」
という商品です。
つまり、
ゴールドなのにインカムがある
というのが、この商品の面白いところ。
大和アセットマネジメントによると、金先物の値動きを追いながら、米国国債7~10年から生じる利金を分配することを目指しています。
参考:大和アセットマネジメント「iFreeETF ゴールドプラスインカム」
ゴールドには基本的に「利息」はありません。
そのため、
「金は持ちたい。でも何も生まないのはちょっと寂しい」
という人には、確かに魅力的に見えます。
私も最初は「これは面白いな」と思いました。
では、金利が上がったらどうなる?
ここが今回考えたかったところです。
今回のように、
金利上昇 → 株安 → 金安
という状況になったとします。
ゴールドプラスインカムには、ゴールドだけではなく米国国債7~10年も入っています。
そして一般的に、金利が上昇すると、すでに発行されている債券の価格は下落します。
つまり、
- 金利上昇 → ゴールドに逆風
- 金利上昇 → 米国債にも逆風
となる可能性があります。
これはちょっと困ります。
せっかく「ゴールド+インカム」で守りを固めたつもりが、
金利上昇局面では、ゴールドと債券の両方からパンチを受ける可能性がある。
いわば、
ダブルパンチです。
投資をしていると、たまにこういう「聞いていた話と違うぞ」という展開があります。
ただし、債券が単純に悪いわけではない
ここは注意しておきたいところです。
「金利が上がるなら、米国債を組み合わせるのはダメじゃないか」
と単純に考えるのも違います。
金利が上昇すれば、既に持っている債券の価格には下落圧力がかかります。
一方で、これから購入する債券や、入れ替わっていく債券から得られる利息は高くなります。
つまり、
短期的には価格下落の痛みがあるけれど、長期的には高い利回りを得やすくなる
という側面があります。
ゴールドプラスインカムも、まさにそこを狙っている商品です。
大和アセットマネジメントも、7~10年の米国国債について、インカム収益と値上がり益の両方を狙える年限として説明しています。
なので、
「金利が上がる=ゴールドプラスインカムはダメ」
という話ではありません。
それでも私は「ゴールドだけでいい」と思った
では、なぜ私はこの商品を必要ないと思ったのか。
理由は単純です。
私がゴールドに求めている役割と、少し違うからです。
私の場合、ゴールドを持つ理由は、
「インカムが欲しいから」
ではありません。
株式とは違う値動きをする資産を持っておきたい。
株が大きく下がったときに、少しでもクッションになってほしい。
そういう目的です。
ところが、金利上昇局面では、
株が下がる
↓
金も下がる
↓
さらに債券も金利上昇で下がる
ということが起こり得ます。
もちろん、いつでもそうなるわけではありません。
景気後退などで金利が低下すれば、債券価格が上昇してゴールドプラスインカムにとってプラスになることもあります。
それでも、
「ゴールドに守りを期待しているのに、別のリスクを追加する必要があるのかな?」
と考えてしまいました。
ゴールドに「インカム」を足す必要はあるのか
ここが今回、一番考えたところです。
ゴールドには配当も利息もありません。
だからこそ、
「だったら、インカムを追加してしまえばいい」
という発想は非常に分かります。
実際、商品としては面白い。
ただ、私の場合は、
ゴールドはゴールドとして持っておきたい。
という結論になりました。
ゴールドにインカムを足すことで、資産としての使い勝手は良くなるかもしれません。
一方で、ゴールドとは違う「金利」という要素も入ってきます。
そうなると、値動きを考えるときに、
「金はどう動く?」
だけではなく、
「米国金利はどうなる?」
「7~10年債はどうなる?」
「株との関係は?」
と考えることが増えてきます。
私はこういうのが、だんだん面倒になってきました。
「良い商品」と「自分に合う商品」は違う
今回のことで思ったのは、
良い商品だからといって、自分に必要とは限らない
ということです。
ゴールドプラスインカムが悪い商品だと言いたいわけではありません。
むしろ、
ゴールド+米国国債+インカム
という組み合わせは、かなり面白いと思います。
ただ、私がゴールドに求めているのは、
「インカムを得ること」ではなく、
株式とは違う資産を持っておくこと。
だから私の場合は、
ゴールドはゴールドでいいんじゃない?
となりました。
金利上昇局面では、結局どうするのか
ここまで考えると、次の疑問も出てきます。
「じゃあ、金利が上がって株も金も下がっているとき、どうするの?」
私の場合は、たぶん特別なことはしません。
S&P500やNASDAQ100のような長期保有を前提とした資産については、金利を毎回予想して売ったり買ったりするつもりはありません。
金利が上がれば株が下がる。
金利が下がれば株が上がる。
そんなにきれいに動いてくれるなら苦労しません。
ましてや、今回のように「FRBが利上げするかもしれない」というニュースだけで市場が動くこともあります。
だからこそ、
予想するより、耐えられる状態を作っておく。
これが私には合っています。
そして、もし大きく下がったときに余裕資金があれば買う。
それくらいです。
ゴールドプラスインカムを見て、むしろゴールドの役割がはっきりした
今回、株も金も下がったことで、
「ゴールドって本当に守りになるの?」
と改めて考えることになりました。
そして、その答えは、
「いつでも守ってくれるわけではない。でも、だからといって役割がなくなるわけでもない」
だと思っています。
ゴールドも下がる。
株も下がる。
金利も上がる。
そんな日も普通にあります。
投資を始めたころなら、
「じゃあ、何を持てばいいんだ?」
となっていたかもしれません。
でも今は、
「まあ、そういう日もあるよね」
くらいに思えるようになりました。
投資で一番難しいのは、値下がりしない商品を探すことではなく、
値下がりしたときにも、自分の投資理由を思い出せること
なのかもしれません。
まとめ:ゴールドプラスインカムが悪いのではなく、私には必要なかった
今回の私の結論をまとめると、
- ゴールドプラスインカムは、ゴールドに米国国債のインカムを組み合わせた面白いETF
- 金利上昇局面では、ゴールドと7~10年米国債の両方が下落する可能性がある
- 一方で、金利上昇は将来の債券の利回りが高くなるというメリットもある
- したがって「金利上昇=ゴールドプラスインカムはダメ」という話ではない
- ただし、私がゴールドに求めているのはインカムではなく、株式とは違う値動き
- そのため、私の場合は「ゴールドはゴールドで持つ」というシンプルな結論になった
という感じです。
投資商品は、
「どの商品が優れているか」だけで考えるより、「自分は何のために持つのか」で考えたほうが分かりやすい。
今回、改めてそう感じました。
そして、金利上昇で株も金も下がるような局面では、商品選び以上に重要なのが、
「下がったときに、自分はどうするのか」
をあらかじめ考えておくことなのかもしれません。
次はこの流れで、**「では、金利が上がって株も下がるとき、長期投資家はどうするのか?」**を考えてみたいと思います。
あなたなら、ゴールドに「インカム」を足しますか?
参考:Reuters「Stocks fall while dollar, bond yields rise as Warsh prompts rate hike bets」
