株も債券もゴールドも下がるとき、どうする?|3つの資産の値動きを調べてみた

前回まで、ゴールドプラスインカムについて調べてきました。

→前回:株も金も下がった。じゃあゴールドプラスインカムはどうなる?金利上昇で考えてみた

最初は「ゴールドに債券を組み合わせたら、株式の暴落にもっと強くなるのでは?」くらいの、かなり単純な疑問でした。

ところが調べているうちに、そもそも債券ってどういうときに強いんだろう、という疑問が出てきました。

私はこれまで、

「株が暴落したら債券が上がる」

くらいのイメージしか持っていませんでした。

そこで今回は、せっかくなので債券について少し勉強してみました。

すると今度は、ゴールドのことも改めて気になってきました。

株、債券、ゴールド。

それぞれ、どんなときに強くて、どんなときに弱いのでしょうか。

そして、全部が下がるときにはどうすればいいのでしょうか。

今回は、このあたりを自分なりに整理してみます。


目次

そもそも、債券はなぜ株の暴落に強いのか

債券、特に米国の長期国債が「株式の暴落に強い」と言われる理由の一つは、金利です。

基本的には、

金利が下がる → 既に発行されている債券の価値が上がる

という関係があります。

そして景気が悪くなると、

「これ以上景気を悪化させないように、中央銀行が金利を下げるのでは?」

という期待が高まります。

その結果、債券が買われる。

つまり、

景気後退 → 利下げ期待 → 金利低下 → 債券価格上昇

という流れです。

そのため、株式市場が景気後退を警戒して下落しているとき、債券がクッションになってくれることがあります。

「なるほど。やっぱり債券は株の暴落に強いんだな」

と思いました。

ところが、ここで少し話が変わってきます。


ゴールドプラスインカムは、株の暴落にもっと強いのか?

前回の記事で調べたゴールドプラスインカムは、名前の通りゴールドとインカムを組み合わせた商品です。

ここで私は、

「ゴールド+債券なら、株式の暴落にもかなり強いのでは?」

と考えました。

ところが、債券について調べてみると、そう単純でもありません。

債券が得意なのは、特に

  • インフレが低下する
  • 景気が減速する
  • 景気後退が起こる
  • 利下げが期待される
  • 実質金利が低下する

といった環境です。

逆に、インフレが再び強くなり、金利が上昇する局面では、債券は苦しくなります。

つまり、

「債券=暴落に強い」

というより、

「特定のタイプの株安に強い」

と考えたほうがよさそうです。

このあたりは、今回債券を調べてみて私が一番勉強になったところです。


では、ゴールドは何に強いのか?

ゴールドについても、改めて考えてみました。

ゴールドというと、まず「インフレに強い」というイメージがあります。

もちろん、それもゴールドの大きな特徴です。

ただ、これまでのゴールドの値動きを見ていると、それだけでは説明しきれません。

ゴールドには、

  • インフレ
  • 実質金利の低下
  • 地政学リスク
  • 金融システムへの不安
  • 通貨への不安
  • 財政への不安
  • 株式市場の大きなリスクオフ

など、さまざまな要因が関係しています。

特に面白いのが、「何かがおかしい」というときに買われやすいことです。

株式が「企業がこれからどれだけ利益を生み出すか」という資産だとすると、ゴールドは少し違います。

「そもそも今の通貨や金融システムは大丈夫なのか?」

という不安に対する保険のような役割も持っています。

だから私は、ゴールドを単なるインフレ対策ではなく、さまざまなシステムリスクへのヘッジとして考えるようになりました。

ゴールドは単なるインフレ対策だけでなく、株式などとの相関が低く、ポートフォリオの分散に役立つ資産としても研究されています。

参考資料:World Gold Council「Gold as a strategic asset: 2026 edition」⁠


株・債券・ゴールドは、どんなときに強い?

ここまで調べたことを、ChatGPTにも整理してもらいました。

もちろん、実際の市場が必ずこの通り動くわけではありません。

株価も債券価格もゴールド価格も、複数の要因が同時に動いて決まります。

あくまで、

「こういう環境では、一般的にどの資産が強くなりやすいのか」

をざっくり整理した表です。

市場環境株式債券ゴールド
インフレ上昇・金利上昇↓↓↓↑
インフレ低下↑↑↑
景気減速↓↑↑
景気後退↓↓↑↑↑
株式市場の暴落↓↓↑↑↑
FRBの利下げ期待↑↑↑↑
実質金利低下↑↑↑↑
インフレ再燃↓↓↓↑↑
財政・通貨不安↓↓↑↑
地政学リスク↓↑↑↑
強い経済成長↑↑↓→

※「↑↑=大幅上昇、↑=上昇、→=停滞、↓=下落、↓↓=大幅下落」。あくまで一般的な傾向を整理したもので、実際の値動きを保証するものではありません。

こうやって並べてみると、面白いことが分かります。

株、債券、ゴールドは、それぞれ違う環境に強い。

だからこそ、組み合わせる意味があります。


でも、全部下がるときもある

ところが、現実の相場は、こんなにきれいには動きません。

例えば、

インフレが高い

↓

金利が上昇する

↓

株式が金利上昇の影響を受ける

↓

債券も金利上昇で下落する

↓

ゴールドも実質金利上昇などの影響を受けて下落する

ということがあります。

実際、2022年はこの問題を考えるうえで分かりやすい年でした。

2026年のWorld Gold Councilのクロスアセット分析でも、インフレショックによって株と債券の相関が高まり、従来の「株が下がれば債券」という分散効果が弱くなる可能性が指摘されています。

参考資料:World Gold Council「Why gold in 2026? A cross-asset perspective」⁠

参考資料:「Why gold in 2026? Is gold still a strategic asset for Japanese investors?」

インフレを抑えるためにFRBが急速に利上げを行い、株式だけでなく債券も大きく下落しました。

「株が下がったら債券を持っていればいい」

という単純な話ではなかったわけです。

そして現在のように、

株も弱い。
債券も弱い。
ゴールドも弱い。

という局面もあります。

こうなると、

「じゃあ、何を持っていればいいんだ?」

となります。


金利上昇に強い、他の資産はないのか?

ここで私は、もう一歩考えてみました。

株も債券もゴールドも下がる可能性があるなら、

「金利上昇に強い別の資産を持てばいいのでは?」

という話です。

そこで、債券やゴールド以外にも、金利上昇に比較的強い資産がないか調べてみました。

候補としては、不動産、コモディティ、銀行株、バリュー株、短期債など、いろいろあります。

ただ、調べてみると、どれも一長一短です。

不動産は金利上昇による借入コスト増加が重しになります。

コモディティはインフレには強い場合がありますが、商品によって値動きが違い、簡単に一括りにはできません。

銀行株は金利上昇が利益にプラスになる場合がありますが、金利上昇が景気悪化につながれば、貸し倒れなどの問題が出てきます。

バリュー株も金利上昇局面でグロース株より相対的に強いことがありますが、結局は株式です。

短期債は長期債ほど金利上昇の影響を受けませんが、「金利が上がれば価格が上がる」という資産ではありません。

つまり、

「金利上昇に強い資産」と「株・債券・ゴールドが下がるときの避難先」は、必ずしも同じではありません。

そして、自分のポートフォリオに簡単に追加できるかと考えると、さらに難しくなります。

例えば銀行株やバリュー株を追加するくらいなら、

「それなら最初からS&P500でいいのでは?」

という話にもなります。

わざわざ資産を増やして複雑にするほどのメリットは、私にはあまり感じられませんでした。

結局、調べてみても、

「これを持っておけば、株・債券・ゴールドがダメなときも安心!」

という都合のいい資産は、簡単には見つかりませんでした。


株とゴールドの組み合わせは、意外と理にかなっている?

ここで、今回調べたことが自分の投資にもつながってきました。

私は米国株、特にNASDAQ100のような成長株への投資を続けています。

米国の企業やテクノロジーは、これからも成長していくと考えているからです。

一方で、

「米国がこれからも成長する」

という考えと、

「米国やドルを取り巻く金融システムに何も問題が起きない」

という考えは、必ずしも同じではありません。

インフレ、地政学リスク、金融システム不安、財政問題、通貨への不安。

こうした株式とは違うリスクに対しては、ゴールドが一つのヘッジになります。

つまり、

株式のヘッジを、別の株式で行うのではなく、違う性質を持つゴールドで行う。

そう考えると、株式とゴールドの組み合わせは意外と理にかなっているように思えてきました。

実際、NASDAQ100とゴールドを組み合わせた過去のシミュレーションでも、株式100%とは違った値動きになっています。

もちろん、過去のシミュレーションが将来を保証するものではありません。

それでも、

「なるほど。だから私はこういう組み合わせが好きなのかもしれない」

と、今回の勉強を通じて少し整理できました。

前回まで調べていたゴールドプラスインカムも、こう考えるとまた違った見え方をします。


では、全部下がるときのヘッジは?

ここまで来ると、当然こんなことを考えます。

「株も債券もゴールドもダメなら、何を持てばいいの?」

いろいろ考えられます。

現金を持つ。

株の空売りをする。

あるいは、下落に強い別の資産を探す。

ただ、どれも万能ではありません。

現金は価格が下がらない代わりに、インフレによって実質的な価値が下がることがあります。

空売りは、下落すれば利益になりますが、当然ながら上昇すれば損失になります。

そして何より難しいのが、

「いつ下がるのか」を当てることです。


長期投資家が「下落を当てにいく」のは難しい

株が高くなってくると、

「そろそろ暴落するのでは?」

と考えたくなります。

私もそういう誘惑はあります。

でも、暴落を予想して空売りを入れたとして、その後も株価が上がり続けたらどうなるでしょうか。

「やっぱり早すぎた」

と思って損切りした翌日に暴落する。

逆に、暴落を待って現金を増やしたまま、株価がそのまま上昇していく。

こういうことも普通にあります。

つまり、下落に備えることと、下落のタイミングを当てにいくことは別物です。

長期投資をしているのであれば、私は後者にはあまり手を出さないほうがいいと思っています。

「暴落を避けるためのトレード」を始めると、いつの間にか長期投資ではなく、相場のタイミングを当てるゲームになってしまうからです。


結局、万能な逃げ場なんてない

今回、債券について調べてみて、ゴールドについても改めて考えてみました。

さらに、金利上昇に強い別の資産がないかも探してみました。

その結果、

株にも得意な環境がある。

債券にも得意な環境がある。

ゴールドにも得意な環境がある。

だから、組み合わせる意味はある。

でも、

全部が下がる局面もある。

そして、そこからさらに別の資産を追加しようとしても、簡単に「これだ!」という答えが見つかるわけではありません。

ここまで考えて、私はむしろ、

「この下落は、ある程度あきらめて受け入れるしかないのでは?」

と思うようになりました。

もちろん、これは「何も考えずに耐える」という意味ではありません。

株・債券・ゴールドを組み合わせて、できるだけ違う環境に対応できるようにしておく。

そのうえで、それでも全部が下がる局面はある。

そこまで含めて、自分の投資として受け入れる。

それくらいの割り切りも、長期投資には必要なのかもしれません。

株・債券・ゴールドを全部持っていれば、どんな相場でも安心。

そんなことはありませんでした。

むしろ、長期投資というのは、

「どんな環境でも利益を出す方法」を探すことではなく、「いろいろな環境に耐えながら、長く市場に居続ける方法」を考えること

なのかもしれません。

だから、どうしても全部下がるときは、

甘んじて受け入れる。

もちろん、資産が減るのを見るのは嫌です。

私も嫌です。

かなり嫌です。笑

でも、そこで慌てて別のものに乗り換えたり、暴落のタイミングを当てようとしたりすると、かえって長期投資の良さを失ってしまうかもしれません。

ということで、

株も債券もゴールドも下がっている皆さん。

今日はもう仕方ありません。

一緒に下落を噛み締めましょう。

そして、また上がる日を待ちたいと思います。

あなたなら、株・債券・ゴールドをどう組み合わせますか?

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