最近、「楽天・テック12」という投資信託が登場すると知って、ちょっと気になりました。
米国の超大型テック企業12銘柄に集中投資するインデックスファンドです。
こういう商品は、私はとりあえずチェックします。
テック集中。
しかも少数銘柄。
さらに、NASDAQ100のような時価総額加重とは違った配分。
「こういうの、嫌いじゃないんだよな」と思いました。
ただ、しばらく考えているうちに、別の疑問が出てきました。
私は本当に「テック均等荷重」が欲しいのだろうか?
今回は、楽天・テック12をきっかけに、最近考えていることを整理してみます。
楽天・テック12は面白い。でも、私には集中しすぎている
楽天・米国テクノロジー株式集中投資インデックス・ファンド(楽天投信投資顧問)
楽天・テック12は、米国のテクノロジー関連企業から時価総額の大きい12銘柄を選びます。
ただし、12銘柄を完全に均等に持つわけではありません。
構成銘柄の見直し時には、時価総額上位7銘柄がそれぞれ12%、残り5銘柄がそれぞれ3.2%。つまり上位7銘柄だけで84%を占める設計です。年4回の定期見直しに加えて、大型IPOなどがあれば臨時の見直しも行われます。
かなり思い切った商品です。
だからこそ面白い。
一方で、私にはやはり集中しすぎに見えます。
私は以前から、
「NASDAQ100の中から30銘柄くらいを選んで、均等に持つ商品があったら面白いのに」
と思っています。
12銘柄ではなく30銘柄。
ここには、私なりの理由があります。
私が「NASDAQ30均等」を欲しいと思う理由
投資では、将来どの会社が大きく成長するのかを事前に当てるのは難しいと思っています。
今の大型テックが強いことは分かっても、10年後、20年後まで同じ顔ぶれなのかは分かりません。
AppleやMicrosoft、NVIDIAのような企業が今後も成長するかもしれない。
一方で、今はまだそれほど大きくない企業が、将来の主役になるかもしれない。
だったら、最初から10~12社だけに絞るより、30社くらい持っておいたほうが、
「次の当たり」を引ける可能性は高くなるのではないか。
これが、私がNASDAQ30均等に惹かれる理由です。
もちろん、30社にすれば必ず次のNVIDIAを取れるわけではありません。
そもそも「次のNVIDIA」が存在するかどうかすら分かりません。
それでも、10~12社より30社のほうが、将来大きく成長する企業を含む余地は広がります。
そして均等荷重にすることで、現在すでに巨大になった企業だけではなく、まだ成長途中の企業にも一定の比重を持たせられます。
つまり私が欲しいのは、
「今の巨大テックを均等に買いたい」のではなく、「これから大きくなる企業を取りこぼしたくない」
ということなのだと思います。
ちなみに、NASDAQには実際に「Nasdaq-100 Top 30」という指数もあります。
ただし、こちらはNASDAQ100の上位30社を修正時価総額加重で組み入れる指数です。私がイメージしている「NASDAQ30均等」とは少し違います。
そんな商品があったら、私はサテライトとして買ってみたいと思っています。
バックテストをしたわけでもありません。
本当にNASDAQ100より良いのかも分かりません。
でも、自分の投資思想にはかなり合っています。
そもそも、私はインデックスに何点をつけているのか
ここで、最近自分の中で考えている「投資の点数」の話をしてみます。
インデックス投資のオルカンやS&P500を60点くらいだと思っていました。
「何もしなくても単位が取れるくらい」。
でも、少し考えると評価が変わりました。
オルカンやS&P500は、別に成績が悪いわけではありません。
むしろ、ほとんど何も考えず、個別企業を選ぶ手間もかけず、それなりのリターンを狙える。
これは相当すごいことです。
実際、日本籍の米国株式ファンドについて、2025年には89%がS&P500を下回ったというSPIVAの調査もあります。長期になるほどアクティブファンドがベンチマークを下回る割合は高くなっています。
そう考えると、私はオルカンやS&P500を70点くらいと考えるようになりました。さすがに80点や90点とまでは思いませんが。
SPIVA日本スコアカード(S&P Dow Jones Indices)
「簡単に投資できる」ということまで含めれば、十分に高得点です。
そしてNASDAQ100は75点。
NASDAQ100はS&P500よりも成長株への比重が大きく、長期的にS&P500を上回ってきた実績があります。
Nasdaq-100 Performance(Nasdaq公式)
2025年末までの期間で見ると、2005年末からの年率リターンはNASDAQ100が15.7%、S&P500が11.0%だったとNasdaqは報告しています。もちろん、これは過去の実績であって将来を保証するものではありません。
だから私は、
オルカン・S&P500=70点
NASDAQ100=75点
くらいのイメージを持っています。
では、80点、85点はどうするのか。
ここからが難しくなります。
80点を狙うと、当たり外れが出てくる
90~100点は、私の中では「個別株でしっかり当てている人」の領域です。
これはインデックス投資では、なかなか到達できないと思っています。
では、投資信託やインデックスに近い商品で80~85点を狙うならどうするか。
一つの方法が、集中投資です。
FANG+のような商品ですね。
10銘柄に均等投資するFANG+は、まさに「NASDAQ100よりさらに絞る」という考え方ができます。現在のFANG+は10銘柄を均等に組み入れ、四半期ごとに見直されています。
実際、FANG+はかなり強い実績を残してきました。
私自身も持っています。
だから「集中投資はダメ」と言いたいわけではありません。
むしろ、テック集中の均等荷重は今でも面白いと思っています。
ただ、最近ちょっと考え方が変わってきました。
NASDAQ100の75点から、さらに上を目指す方法は、本当に「もっと集中すること」なのだろうか?
という疑問です。
FANG+は強い。でも、過去のリターンをそのまま信じていいのか?
FANG+の魅力の一つは、これまでNVIDIAやTeslaのような企業の成長を取り込んできたことです。
特にNVIDIAの成長はすさまじいものでした。
ICEの資料でも、2022年末から2024年半ばまでの期間では、NVIDIAの上昇がFANG+のリターンに大きく寄与したことが確認できます。
ただ、ここで私は少し考えます。
これからも同じことができるのだろうか?
FANG+には、原則として固定されている6銘柄があります。
残りの銘柄はルールに基づいて入れ替わりますが、すべてを自由に入れ替える指数ではありません。ICEの方法論では、コアとなる銘柄に加えて、複数の指標によって4銘柄を選定する仕組みになっています。
これはFANG+の弱点というより、指数の特徴です。
ただ、私が気になっているのは、
過去にNVIDIAやTeslaのような大きな成長をした企業を取り込めたことと、これから同じような企業を早い段階で取り込めることは、別の話ではないか
ということです。
FANG+がこれからも強い可能性は十分あると思っています。
いわゆるマグニフィセント7のような大型テック企業が、今後も米国株を引っ張る可能性だってあります。
ただ、
過去のFANG+のリターンが強かったから、今後も同じくらいのリターンを期待する。
ここには私は少し慎重になってきました。
「FANG+がダメ」と言いたいわけではありません。
これまでのリターンを、そのまま今後の期待リターンとして信じる自信がなくなってきた
というだけです。
最近の半導体ブームを見て、少し考えが変わった
もう一つのきっかけが、最近の半導体ブームです。
AI関連を中心に半導体企業が大きく伸びました。
もちろん、成長産業が伸びること自体は悪いことではありません。
私もその恩恵を受けています。
ただ、集中投資を考えると、少し複雑です。
ある分野が猛烈に伸びると、そこに集中している商品のリターンは大きくなります。
一方で、
その分野への集中が強すぎることで、別の成長企業の恩恵を受けにくくなる
こともあります。
今の時点で、テック集中型がNASDAQ100より優れているのか。
私は少し分からなくなってきました。
もちろん、今後テック集中が巻き返す可能性もあります。
だから売るつもりもありません。
すでに持っているものは、そのまま持ちます。
ただ、
「NASDAQ100より上を狙うなら、もっとテックに集中すればいい」
という考えには、以前ほど自信がありません。
だったら「NASDAQ30均等」はどうなのか?
ここで最初の話に戻ります。
もしNASDAQ30均等のような商品があったら、私はかなり興味があります。
理由は単純です。
10~12銘柄に絞るより、30銘柄のほうが「これからの当たり」を拾える可能性があると思うからです。
NASDAQ100なら、すでに大きくなった企業も含めて広く持てます。
NASDAQ30均等なら、そこから少し絞りつつも、1社あたりの影響を大きくしすぎない。
私にとっては、
NASDAQ100の分散と、集中投資の中間くらい。
そんなイメージです。
だから「NASDAQ30均等」という商品があれば、サテライトとして持ってみたい。
ただし、これも万能ではありません。
30社を選ぶ時点で、選ばれなかった企業は取り逃します。
均等荷重なので、巨大企業の成長を時価総額ほど大きく享受できない可能性もあります。
結局、これも一つの賭けです。
そう考えると、ふと別の疑問が出てきました。
そもそも、当たりをたくさん含めたいなら、最初から「当たっている銘柄」を選べばいいのでは?
そこで、モメンタムという考え方が出てきた
ここで私の中で候補になってきたのが、モメンタムです。
前回記事「モメンタム投信が気になってきた。ブームに乗っているだけなのか?」
前回記事「SMTモメンタムファンドはどれがいい?全世界から米国に変えた理由」
モメンタムというのは、簡単に言えば、
最近、強い銘柄を選んでいく
という考え方です。
もちろん、上がっている銘柄がそのまま上がり続ける保証はありません。
むしろ、上がった銘柄を買うので、高値づかみになる可能性もあります。
でも、考え方としては面白い。
NASDAQ30均等が、
「これから当たりそうな銘柄を30社くらい持っておこう」
という発想だとしたら、
モメンタムは、
「すでに当たっている銘柄を買ってしまおう」
という発想です。
もちろん、これだけでモメンタムが正解だとは思っていません。
「当たっている銘柄を買う」ことと、「その後も下がらない」ことは別だからです。
私が気になるのは、
強い銘柄が、どのくらい強さを維持するのか。
そして、
強さがなくなったとき、どのくらいのスピードで入れ替わるのか。
このあたりです。
だから、モメンタムについてもまだ実験中です。
楽天テック12を見て、むしろ投資方針が整理された
楽天テック12は面白い商品だと思います。
米国テック企業12銘柄に集中するという、かなり分かりやすい商品です。2026年9月25日に設定予定で、NISAでは成長投資枠の対象とされています。
ただ、私は今のところ買いません。
私が欲しいと思っているものとは、少し違うからです。
私が欲しいのは、
「現在の大型テックをさらに濃くする商品」より、「これから大きくなる企業を少し多めに拾える商品」
だからです。
そして、もしNASDAQ100をコアとして持っているなら、すでに大型テックはかなり持っています。
そこにさらにテック集中を重ねるより、
サテライトでは別のルールを使ってみる。
このほうが、ポートフォリオ全体としては面白いのではないか。
最近はそう考えています。
だから、今の私がサテライトで選ぶなら、楽天テック12よりも「SMT 米国株式モメンタムファンド」のほうが興味があります。現在、同ファンドはNISAの成長投資枠対象として案内されています。
もちろん、これも「モメンタムが正解」という話ではありません。
単純に、
NASDAQ100の次に、さらに集中する以外の方法もあるのでは?
と思い始めたということです。
75点の次は、必ずしも「もっと集中」ではない
今の私の投資イメージを整理すると、
- オルカン:70点
- S&P500:70点
- NASDAQ100:75点
- 80~85点:集中投資や別の運用ルールを検討
- 90~100点:個別株で大きな当たりを取る領域
こんな感じです。
もちろん、この点数に何か客観的な意味があるわけではありません。
完全に私の感覚です。
ただ、最近思うのは、
75点から80点を目指す方法が「もっと集中すること」とは限らないのではないか
ということ。
集中すれば、当たったときのリターンは大きくなるかもしれません。
その代わり、外したときも大きい。
だったら、別の角度から「当たり」を狙う方法を考えてもいい。
私の場合、それが今のところモメンタムです。
楽天テック12を見て、テック均等荷重への興味がなくなったわけではありません。
むしろ、今でもNASDAQ30均等のような商品があれば買ってみたいと思っています。
ただ、
「高い点数を取りたいから、さらに集中する」
という考え方には、少し疑問を持つようになりました。
NASDAQ100をコアにする。
その上で、サテライトでは別のルールを試してみる。
今の私には、そのほうがしっくりきています。
投資で100点を取るのは難しい。
だったら、75点を取れていることに満足するのも一つ。
それでももう少し上を狙いたいなら、集中するのか、別の方法を使うのか。
私は今、その分岐点にいるような気がします。
あなたなら、75点のNASDAQ100の次に、何を選びますか?
